インビザラインで口内炎ができたらどうする?すぐできる対策を解説
インビザライン矯正中に口内炎ができても、ほとんどの場合は自宅での対処で改善できます。主な対策は以下のとおりです。
・矯正用ワックスで当たる部分を保護する
・市販薬で痛みを抑える
・うがい薬で口内を清潔に保つ
・刺激の少ない食事にする
インビザラインはワイヤー矯正に比べて口内炎ができにくいとされていますが、マウスピースの縁やアタッチメントの刺激、口の乾燥などが原因で発生することがあります。
「このまま治るの?」「歯医者に行くべき?」と不安になる方も多いですが、原因と対処法を知っておけば落ち着いて対応できます。
この記事では、インビザラインで口内炎ができる原因から、今すぐできる対処法、悪化させないための注意点や予防策まで、わかりやすく解説します。
インビザライン矯正中のつらい口内炎!今すぐできる応急処置4選
インビザライン矯正中に口内炎ができると、食事や会話のたびに痛みを感じ、大きなストレスとなります。
ここでは、つらい痛みを今すぐ和らげるための具体的な対策を4つ紹介します。
【応急処置①】矯正用ワックスで粘膜が当たる部分を保護する
マウスピースの縁やアタッチメントが頬の内側や舌に当たって痛む場合、矯正用ワックスで物理的な刺激から粘膜を保護するのが効果的な対策です。
ワックスは粘土のような素材で、歯科医院で入手できるほか、市販もされています。
使い方は、まずワックスを米粒程度の大きさにちぎって指で丸めます。
次に、ティッシュなどでマウスピースの当たる部分の水分を拭き取り、乾燥させた箇所にワックスを貼り付けます。
これによりクッションの役割を果たし、直接的な接触を防いで痛みを和らげられます。
【応急処置②】市販の塗り薬やパッチを活用して痛みを軽減する
口内炎の痛みを直接和らげるためには、市販の薬の活用が有効です。
薬には、患部に直接塗る軟膏タイプと、シールのように貼り付けるパッチタイプがあります。
軟膏タイプは広範囲に塗りやすく、パッチタイプは食事などの刺激から患部をしっかりガードできるのが利点です。
どちらも炎症を抑え、痛みを鎮める成分が含まれています。
【応急処置③】殺菌作用のあるうがい薬で口内を清潔に保つ
口内炎の悪化や二次感染を防ぐためには、口の中を清潔に保つことが不可欠です。
殺菌成分が含まれたうがい薬を使用することで、口内炎の原因となりうる細菌の繁殖を抑制できます。
ただし、アルコール成分が含まれているうがい薬は、患部にしみて強い痛みを引き起こす可能性があるため注意が必要です。
できるだけ刺激の少ない、ノンアルコールタイプの製品を選ぶことを推奨します。
【応急処置④】口内炎がしみないように食事の内容や食べ方を工夫する
口内炎があるときは、食事の際に痛みを強く感じることがあります。
唐辛子などの香辛料が効いたもの、レモンなどの酸味が強いもの、熱すぎるスープや飲み物は、患部を刺激して痛みを増幅させるため避けるべきです。
おかゆやスープ、ヨーグルトなど、あまり噛まなくても食べられる柔らかいものや、人肌程度の温度のものがおすすめです。
また、食べ物を小さく刻んだり、ストローを使って飲み物を飲んだりすると、患部に触れにくくなり、食事の負担が軽減されます。
なぜ?インビザライン矯正で口内炎ができる主な3つの原因
インビザライン矯正は、滑らかな素材のマウスピースを使用するため、従来のワイヤー矯正と比較して口内炎のリスクは低いとされています。
しかし、それでも口内炎に悩まされる人は少なくありません。
ここでは、インビザライン矯正中に口内炎ができてしまう主な3つの原因について解説します。
原因①:マウスピースの縁やアタッチメントが当たる物理的刺激
インビザラインで口内炎ができる最も一般的な原因は、マウスピースやアタッチメントによる物理的な刺激です。
マウスピースの縁が歯茎や舌、頬の内側の粘膜に擦れることで、傷がついて炎症を起こし、口内炎に発展します。
特に新しいマウスピースに交換した直後は、歯の移動に伴ってこれまで当たらなかった部分に縁が接触しやすくなります。
また、歯の動きを補助するために歯の表面に設置する「アタッチメント」という突起物が、粘膜に当たって口内炎を引き起こすこともあります。
原因②:口の中の乾燥による細菌の繁殖
マウスピースを長時間装着していると、唾液の自然な循環が妨げられ、口の中が乾燥しやすくなります。
唾液には、口内の細菌の増殖を抑え、粘膜を保護する役割があります。
しかし、口が乾燥すると自浄作用が低下し、細菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。
その結果、頬の内側などにできたわずかな傷から細菌が侵入し、口内炎を引き起こしやすくなってしまいます。
原因③:矯正によるストレスや生活習慣の乱れ
歯列矯正は、治療期間が長く、装置の違和感や痛みも伴うため、知らず知らずのうちにストレスが溜まることがあります。
こうした精神的なストレスは、体の免疫力を低下させる一因です。
また、矯正中の食事のしにくさから栄養が偏りがちになったり、痛みで睡眠不足になったりすることも免疫力低下につながります。
特に、粘膜の健康を保つビタミンB群が不足すると、口内炎ができやすくなります。
絶対にやめて!口内炎が悪化する自己判断でのNG対処法
口内炎の痛みがつらいと、早く治したいという気持ちから自己判断で対処してしまいがちです。
しかし、誤った対策は症状を悪化させたり、治療の遅れを招いたりする可能性があります。
ここでは、口内炎ができた際に絶対に行ってはいけないNGな対処法を2つ紹介します。
NG例:自分でマウスピースやアタッチメントを削る
マウスピースの縁やアタッチメントが当たって痛いからといって、自分でヤスリなどを使って削ることは絶対にしてはいけません。
インビザラインのマウスピースは、精密な治療計画に基づいて0.01mm単位で設計されています。
自己判断で削ってしまうと、マウスピースの適合性が損なわれ、必要な矯正力がかからなくなります。
その結果、歯が計画通りに動かなくなり、治療期間の延長や治療計画の再作成が必要になる可能性があります。
NG例:口内炎を指や舌で頻繁に触る
口内炎ができると、その存在が気になってしまい、無意識のうちに指や舌で触ってしまうことがあります。
しかし、この行為は口内炎の治りを遅らせる原因となります。
舌で繰り返し刺激を与えることも、傷口の治癒を妨げ、炎症を長引かせることにつながります。
気になってもできるだけ触らず、安静に保つことが早期回復への近道です。
こんな症状は要注意!歯科医院に相談すべきケース
ほとんどの口内炎は、応急処置やセルフケアで1〜2週間程度で改善します。
しかし、中には症状が悪化したり、なかなか治らなかったりするケースもあります。
そのような場合は、我慢せずに速やかにかかりつけの歯科医院に相談することが重要です。
ここでは、セルフケアの範囲を超え、専門家による診断や処置が必要となる具体的なケースについて解説します。
10日以上経っても口内炎が治らない場合
通常の口内炎(アフタ性口内炎)は、1〜2週間ほどで自然に治癒することがほとんどです。
しかし、応急処置をしても10日以上症状が改善しない、あるいは悪化する一方である場合は、歯科医院を受診しましょう。
単なる口内炎ではなく、マウスピースの不適合など根本的な原因が解決されていない可能性があります。
また、同じ場所に何度も口内炎が再発する場合や、歯茎にしこりのようなものができる場合も注意が必要です。
ごくまれに、他の全身疾患の症状として現れている可能性もあるため、自己判断は禁物です。
痛みが強く食事や会話に支障が出る場合
口内炎の痛みが非常に強く、食事を摂るのが困難になったり、話すことさえつらくなったりするほどの症状が出ている場合は、我慢せずに歯科医院に相談してください。
痛みをこらえて食事を十分に摂れないと、栄養不足に陥り、免疫力がさらに低下して口内炎が治りにくくなるという悪循環に陥る可能性があります。
歯科医院では、痛みを和らげるための適切な処置や薬の処方が受けられます。
歯科医院で受けられるマウスピースの調整とは
口内炎の原因がマウスピースの物理的刺激にあると診断された場合、歯科医院では装置の調整を行ってもらえます。
具体的には、マウスピースの縁が粘膜に当たって痛みを生じさせている箇所を、専用の器具で滑らかに研磨する処置です。
この微調整によって、粘膜への刺激が大幅に軽減されます。
また、アタッチメントの角が鋭利で粘膜を傷つけている場合は、その角を丸めて滑らかにする処置も可能です。
これらの調整は矯正治療の計画に影響を与えない範囲で行われるため、安心して任せることができます。
口内炎の再発を防ぐ!今日から始められる4つの予防策
一度口内炎が治っても、同じような原因が続けば再発する可能性があります。
ここでは、今日からすぐに実践できる4つの予防対策を紹介します。
これらの習慣を身につけて、口内トラブルのないスムーズな矯正期間を目指しましょう。
予防策①:マウスピースを正しく装着・着脱する
マウスピースの装着・着脱は毎日行う基本的な動作ですが、この手順が正しくないと粘膜を傷つける原因になり得ます。
例えば、無理な力で外そうとしたり、爪を立てて引っ掛けたりすると、マウスピースが歪んだり、歯茎や唇を傷つけたりする可能性があります。
装着する際も、奥歯から前歯へと均等に力をかけて、しっかりとフィットさせることが重要です。
予防策②:お口の中とマウスピースを常に清潔に保つ
口内炎の発生には、口内の細菌が大きく関わっています。
そのため、お口の中とマウスピースの両方を常に清潔に保つことが、非常に効果的な予防対策となります。
毎食後の歯磨きを徹底し、歯間ブラシやフロスも活用して、食べかすや歯垢をしっかり除去しましょう。
同時に、マウスピースも毎日洗浄し、細菌の温床になるのを防ぐ必要があります。
指で優しくこすり洗いをするか、専用の洗浄剤を使用するのがおすすめです。
予防策③:こまめな水分補給で口の潤いを保つ
マウスピースを装着していると口が乾燥しやすくなるため、意識的に水分を補給して口内の潤いを保つことが重要な対策です。
唾液の分泌が減ると、細菌が繁殖しやすくなるだけでなく、粘膜自体も傷つきやすくなります。手元に水やお茶などを置いておき、こまめに飲む習慣をつけましょう。
予防策④:栄養バランスの取れた食事と十分な睡眠を心がける
口内炎の予防には、体の内側からのケアも欠かせません。
免疫力が低下すると、口内炎ができやすくなるため、日頃から抵抗力を高めておくことが大切です。
特に、皮膚や粘膜の健康を維持する働きのあるビタミンB2、B6、Cなどを意識的に摂取しましょう。
これらの栄養素は、豚肉、レバー、魚、卵、緑黄色野菜、果物などに多く含まれています。
バランスの取れた食事に加え、十分な睡眠時間を確保して体の疲れを取り除くことも、免疫力を維持するための重要な対策です。
まとめ
インビザライン矯正中に口内炎ができてしまっても、慌てる必要はありません。
矯正用ワックスや市販薬などの応急処置で痛みを和らげつつ、口内を清潔に保ち、生活習慣を見直すことで多くは改善します。
大切なのは、自分でマウスピースを削るなどの誤った対処をしないこと、そして痛みが長引く場合は速やかに歯科医院に相談することです。
適切な対策と予防を心がけ、快適な矯正生活を送りましょう。
この注意点は、矯正後のリテーナーを使用する期間においても同様です。
記事監修 │ 名古屋イースト歯科・矯正歯科 歯科医 原田正守

- ■略歴
-
- ・歯学博士 2007年取得
- ・愛知学院大学大学院歯学研究科卒業
- ・愛知学院大学歯学部非常勤講師
- ■資格・研修
-
- ・インビザライン認定医
- ・日本顎関節学会専門医
- ・ジャパンオーラルヘルス学会 認定医・代議員
