インビザラインのデメリットなどを知りましょう

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インビザラインは透明なマウスピースを装着し、歯並びを矯正する治療法です。見た目が目立たないことや自分で着脱できることなどが魅力ですが、一方で失敗例やデメリットも存在します。そのため、治療を受けようか迷っている方も多いのではないでしょうか。

本コラムでは、インビザラインのデメリットについて詳しく解説します。また、治療で後悔しないために知っておくべき注意点もお伝えしますので、治療が不安な方はぜひ参考にしてください。

インビザライン治療での失敗とは？

インビザライン治療で失敗する理由は大きく分けて2つあります。ひとつは期待した効果が得られなかった場合、もうひとつは歯にトラブルが起こった場合です。

しかし失敗する原因を理解すれば、治療中に注意しなければならないことが理解できます。また、対策についても解説いたしますので、ぜひ参考にしてください。

ケース1.期待していた効果が得られなかった

インビザライン治療を長期間行っても、期待した効果が得られなかったり、矯正が完了しなかったりする場合があります。この原因のひとつは「マウスピースの管理が上手くいかなかった」ケースです。

インビザライン治療では、歯の状態に合わせて定期的にマウスピースを交換しなければなりません。しかし、マウスピースの装着や交換を怠ったり、適切な装着時間を守らなかったりすると、矯正治療が計画通りに進みません。

また、インビザラインの治療経験が少ない医師による不適切な治療計画では、矯正が失敗したり、予定よりも時間や費用がかかったりする可能性が高くなるでしょう。

このように期待した効果が得られなかったケースでは、最初に決められたルールを守っていないため起こる場合が多いのです。逆にいえば、ルールをしっかりと守ることができれば失敗する可能性は低くなるでしょう。

ケース2.歯にトラブルが起きた

インビザライン治療中に口腔ケアを怠ったり、マウスピースの衛生管理を徹底しなかったりすると、虫歯や歯周病になる確率が高まります。また、無理な矯正により歯茎が下がり、歯の根元が露出することで治療を続けられなくなるケースもあります。

矯正のために抜歯や歯を削る場合は、歯と歯の間が空きすぎてしまい、治療が長期化することもあるため注意が必要です。歯のトラブルを防ぐためにも、定期検診は必ず受診し、口腔内の衛生管理ができるようにしてください。

インビザラインで治療ができない方について

ここではインビザライン治療ができない（難しい）ケースを3つ紹介します。まず、重度の出っ歯や受け口は、外科的な手術が必要になるため、インビザラインでの矯正は難しいでしょう。

次に歯周病の場合は歯茎に問題があるため、無理に矯正を行うとさらに歯茎の状態を悪化させたり、歯が抜けたりしてしまいます。予め歯周病の治療を行ない、口腔内を万全の状態にした上でインビザラインの治療を開始する必要があります。

最後に、インプラント治療を行っている場合は、顎の骨と人工歯が接合している状態のため、そもそもインビザラインでは矯正ができません。

このように、骨格や歯並び、口腔内の状況によってインビザライン治療を適用できない方が一定数いらっしゃいます。しかし、以下で紹介する治療方法を用いることで、矯正治療ができるようになる可能性があります。

ワイヤー矯正と組み合わせれば受けられる可能性がある

歯並びが悪すぎてインビザライン治療が適用できない場合でも、ワイヤー矯正であれば矯正治療を受けられる可能性があります。

ワイヤー矯正では、ブラケットやワイヤーを調整することで、骨格や歯根にも力を加えられます。重度の症例にも対応できる可能性があるため、諦めずにワイヤー矯正を選択肢に入れてください。

しかし、ワイヤー矯正はブラケットやワイヤーが口内に接触するため、口内炎や金属アレルギーなどの副作用が起こる可能性があります。また、歯や歯茎にも負担がかかるため、担当医とよく相談したうえで、ワイヤー矯正を選択しましょう。

重度の骨格的な問題がある場合でも治療ができる

重度の骨格的な問題とは、上顎や下顎の骨の位置や形が正常と大きく異なる状態を指します。重度の出っ歯や受け口、過蓋咬合（かがいこうごう）などは、歯並びではなく骨格そのものにアプローチする必要があります。

重度の骨格的な問題がある場合は、インビザラインでの矯正治療ができない可能性があるため注意が必要です。なぜなら、インビザラインは歯並びを整える治療であり、顎の骨や位置は変えられないからです。

このように骨格的な異常がある場合は、インビザラインではなく外科矯正で治療が行えます。

インビザラインのデメリットと注意点

インビザライン治療では、自由に着脱できるマウスピースを付け替えながら長時間装着を続け、歯を徐々に矯正するのが特徴です。しかし、治療を受ける方によってはマウスピースの装着でデメリットが生じる場合があります。

また、前述のように歯の状態によって治療できない方が一定数おり、歯並びによっては矯正の適用範囲外となってしまう場合がある点も、インビザラインのデメリットのひとつです。

マウスピースの装着時間が決まっている

インビザライン治療では、最低でも1日20時間以上のマウスピース装着が必要です。食事中は外せますが、1日のほとんどの時間を装着したまま過ごさなければなりません。

食事中にマウスピースを外す理由は、マウスピースの変形や食事による着色を防ぎ、食べかすが溜まらないようにするためです。何かを食べるたびにマウスピースを外す必要があるため、面倒に思う方もいるでしょう。

また、インビザライン治療では、マウスピースを1〜2週間のペースで新しいものに交換する必要があります。そのため、マウスピースの装着時間の長さだけでなく、交換の手間があります。

矯正の適用範囲が狭い

インビザライン矯正の適用範囲が狭い理由は、歯の動きに限界があるだけでなく、骨格的な問題に対応できないためです。しかし、これらの理由は一般的な話であり、個人差もあります。

基本的にインビザライン矯正は、マウスピースの形に添って歯を動かしますが、マウスピースは歯の表面にしか接触しない治療です。そのため、歯を外側や内側には動かせますが、歯を平行に移動したり、歯根から大きく動かしたりできません。

このように、歯列を大きく動かす必要がある矯正治療には、インビザラインは不向きといえます。

インビザライン治療で後悔しないために

インビザラインは自分自身で治療結果に影響を与えられる矯正方法です。適当に治療を行えば治療期間が延びるだけでなく、治療費も多くかかります。しかし、決められた装着時間を正しく守り、マウスピースの交換も計画通りに行えば、当初の想定通りに治療が完了するでしょう。

以下ではインビザライン治療を受けるうえで、後悔しないためのポイントを紹介します。

1.定期検診を受ける

まず、インビザラインは担当医による診察を受け、歯の移動具合や口内状態を確認する定期検診を治療初期は1ヵ月、徐々に慣れてくると2〜3ヵ月に1回行います。定期検診を怠ると、治療期間が長引く可能性があります。

また、定期検診時に口腔内の状態も確認しクリーニング等も行うため、治療を円滑に進めるためには必ず受診してください。

2.口腔内やマウスピースを清潔に保つ

口腔衛生を保つためには歯磨きだけでなく、マウスピースもしっかりとメンテナンスを行ったうえで装着をしましょう。マウスピースを装着すると、唾液の分泌量が減り口内環境が悪化します。結果的に虫歯や、歯周病になる可能性が高くなります。

ご自宅では虫歯や歯周病を予防するだけでなく、マウスピースの透明度を保つためにも日々のケアが必要です。

3.治療経験が豊富な歯科医院に相談する

インビザライン治療は、歯科医師の技術や経験によって治療の成否が大きく左右されます。歯科医師は、インビザライン社から認定を受けているかどうか、またどのレベルの認定を受けているかによって分類されます。認定レベルが高いほど、インビザライン治療の実績や知識が豊富であるといえるでしょう。

また、医院や医師の口コミや評判も参考にしてください。信頼できる医院や医師を選ぶことで、治療計画や費用、アフターケアなどについても安心できます。

Q&A

Q1：インビザライン治療を受けられないケースはありますか？
A1：出っ歯や受け口のように、重度の骨格的な問題がある場合はインビザライン治療を受けられない可能性があります。また、歯周病の方やインプラント治療を受けた方はインビザライン治療ができません。

Q2：インビザラインのデメリットは何ですか？
A2：インビザライン治療はマウスピースで歯列矯正を行うため、最低でも1日20時間以上は装着しなければなりません。また、従来のようなワイヤー矯正よりも矯正範囲が狭く、歯の状態によってはインビザライン治療を受けられないため、人によっては利用しにくい点もデメリットです。