【後悔しないために】インビザラインで失敗しやすいケースと対策
インビザラインの失敗例として多いのは、理想の歯並びにならなかった、歯並び・噛み合わせの悪化、歯根の露出・吸収、後戻りなどです。
インビザライン治療は、患者さまによる自己管理の徹底と、経験豊富な歯科医師による適切な指導と判断が重要となります。
本コラムでは、インビザライン治療でよくある失敗例と原因について解説し、成功させるためのポイントを紹介します。治療を始める前に知っておくべきポイントを押さえ、安心して治療を進めましょう。
インビザラインで「失敗した」と感じるパターンとは?
インビザライン治療でよくある失敗パターンを8つ紹介します。
失敗パターン①|治療結果に納得できなかった
インビザライン治療が終了しても、歯が計画通りの位置に移動せず、理想としていた歯並びに仕上がらないケースがあります。
主な原因は、無理な治療計画やマウスピースの管理不足です。インビザラインは、経験豊富な歯科医師による治療計画の立案に加え、患者さま自身の協力が必要不可欠な治療方法のため、どちらかが欠けると治療が失敗するリスクが高まります。
失敗パターン②|歯並び・噛み合わせが悪化した
インビザライン治療中に、歯並びが悪くなったり、噛み合わせがずれたりする場合があります。
前述した失敗パターン①と同じく、マウスピースの装着時間不足や無理な治療計画に加え、適応症の見極め不足で起こりやすいトラブルです。
インビザラインは計画に沿って段階的に歯を動かす治療方法のため、マウスピースが適切に使用できていない場合は効果が得られず、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼす可能性があります。
失敗パターン③|歯根の露出・吸収が起こった
インビザライン治療中に無理な力が加わると、歯根が吸収されたり、歯ぐきが下がり歯根が露出したりするケースがあります。
インビザラインは、緩やかな力で徐々に歯を動かすのが特徴の治療方法です。過剰な矯正力がかかると、歯や歯周組織に負担がかかり、トラブルを引き起こす恐れがあります。また、歯周病によって歯ぐきが下がるケースもあるため注意が必要です。
失敗パターン④|虫歯・歯周病になった
インビザライン治療中に、虫歯や歯周病になるケースがあります。セルフケアや歯科医院での定期的なメンテナンスを怠り、口腔内が不衛生な状態が続くと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
インビザライン治療はマウスピースの着脱が可能なため、虫歯治療も並行できる可能性があります。しかし、虫歯や歯周病の程度によっては、矯正治療を一時的に中断する必要があり、治療期間が延びるおそれがあるため注意してください。
失敗パターン⑤|歯を削られすぎた
インビザライン治療では、歯を動かすスペースを確保するために、IPR(歯間削合)と呼ばれる処置で歯の側面をわずかに削る場合があります。
しかし、必要以上に歯が削られると、歯の移動に時間がかかるため、治療期間が延びる原因となるケースがあります。歯科医師による削合量の見極めが重要です。
失敗パターン⑥|歯と歯の間に隙間ができた
インビザライン治療によって歯が動いた結果、歯と歯の間に「ブラックトライアングル」と呼ばれる隙間ができるケースがあります。隙間が大きいほど黒く目立つため、見た目が気になる方も少なくありません。
ブラックトライアングルができた場合は、適切な治療によって改善できる場合がありますが、治療期間が延びる恐れもあります。
失敗パターン⑦|治療期間が延びた
予定していた治療期間が延びるケースは少なくありません。
マウスピースの装着時間を守らなかったり、インビザライン治療中に口腔トラブルが起こったりすると、治療期間の延長につながります。
治療が長引くと追加の費用がかかる場合もあるため、マウスピースの装着時間を徹底的に管理し、メンテナンスも怠らないよう気を付けましょう。
失敗パターン⑧|後戻りした
インビザライン治療が完了した後に、歯並びが治療前の状態に戻る「後戻り」が起こる場合があります。
矯正治療後の歯は不安定なため、一定期間リテーナーと呼ばれる保定装置を装着し、安定させる必要があります。
リテーナーの装着を怠ったり、使用期間が不十分だったりすると、インビザライン治療の成果が失われる恐れがあるため注意が必要です。
なぜ失敗する?よくある原因と注意点
インビザライン治療が失敗する原因と注意点を解説します。
インビザライン治療の失敗につながる3つの原因
インビザライン治療が失敗する原因は、主に以下の3つです。
・治療計画が適切ではなかった
・マウスピースの装着時間を守らなかった
・セルフケアやメンテナンスを怠った
治療計画にミスがあると、理想通りの歯並びにならなかったり、トラブルが起こったりする可能性が高まります。インビザライン治療の実績が少ない歯科医師の場合、適切な治療計画が立てられない恐れがあるため注意が必要です。
次に、治療計画が適切でも、マウスピースの管理不足で治療が失敗するケースもあります。
マウスピースは1日22時間以上の装着が必要です。守らなかった場合は、計画通りに歯が動かないため注意してください。
さらに、毎日のセルフケアや歯科医院でのメンテナンスを怠ると、虫歯や歯周病になる可能性が高まり、治療の遅れや失敗につながります。
インビザライン治療の注意点
インビザライン治療を成功させるためには、治療へのモチベーションを継続して保つことが大切です。
特に、治療結果に直結するマウスピースの取り扱いには、患者さまご自身の自己管理が求められます。決められた装着時間をきちんと守ったうえで、歯みがきやマウスピースの洗浄も毎回丁寧に行う必要があります。
食事や歯みがきのたびに、口腔内とマウスピースの両方を清潔に保ち、虫歯や歯周病のリスクを抑えましょう。また、マウスピースを装着したまま飲食すると、虫歯や歯周病のリスクが高まるため注意してください。
インビザライン治療を失敗させないためには、マウスピースの適切な取り扱いや衛生管理の徹底が重要なため、途中で気を緩めず取り組みましょう。
以下の動画で、インビザライン治療の注意点を詳しく紹介しています。

YouTube|【インビザライン】インビザライン治療の注意点(年齢やその他注意点)
失敗しないための歯科医院選びのコツ
歯科医院を選ぶ際に重要な2つのポイントを紹介します。
実績がある歯科医院を選ぶ
インビザライン治療には高度な専門知識と技術が求められます。
治療計画の作成はデジタル化によって効率化されていますが、患者さま一人ひとりの状況に応じた総合的な判断が不可欠です。歯の動きや患者さまの口腔内の状態に応じて、歯科医師が細かく調整する必要があります。
治療実績が豊富な歯科医師であれば、治療計画の立案はもちろん、治療中に予想外のトラブルが起きた場合にも、柔軟かつ的確な対応が可能です。
歯科医院のホームページには、歯科医師の資格や治療実績が掲載されている場合があります。情報を確認し、信頼できる歯科医院を選んでください。納得のいく治療結果を得るためにも、ご自身に合った歯科医院選びが大切です。
丁寧な説明を受けられる歯科医院を選ぶ
安心して治療を受けるためにも、治療の流れやマウスピースの使用方法について、わかりやすく丁寧に説明してくれる歯科医院を選んでください。
また、治療中だけでなく、治療後のフォローアップまでしっかり対応してくれる歯科医院であれば、長期的なサポートも受けられるでしょう。
歯科医師やスタッフとのコミュニケーションがスムーズに取れるかどうかも、治療成功の大きなポイントとなります。インビザライン治療を始める前のカウンセリングで歯科医院の対応や雰囲気を確認し、信頼できる歯科医院かどうかを見極めましょう。
歯科医院の選び方については、以下の動画もご参考にしてください。

YouTube|【インビザライン】インビザライン歯科医院の選び方(どんな歯科医院選びをすると失敗しないか)
「失敗しないために知っておく」ことが成功のカギ
インビザライン治療を成功させるためには、実績のある歯科医師による適切な治療だけでなく、患者さまご自身による自己管理も非常に重要です。
マウスピースの装着時間を守り、決められた時期にしっかりと交換を行うこと、さらに口腔内やマウスピースを常に清潔に保つことが、治療成功のカギとなります。当院では、3人の担当医によるチーム体制でインビザライン治療を行っており、さまざまな症例に対応しております。
インビザライン治療に対して不安や疑問をお持ちの方は、まずはお気軽にカウンセリングにお越しください。丁寧にご説明し、患者さま一人ひとりに合った最適な治療をご提案いたします。
Q1:インビザラインは誰でも受けられますか?
A1:治療を受けられる健康状態で、インビザラインで対応可能な症例であれば治療を受けられます。
治療を開始できる年齢やインビザライン治療に適さない症例は、以下のコラムで紹介しています。
インビザライン治療の注意点
Q2:インビザライン治療が失敗したらどうなりますか?
A2:必要に応じて、抜歯治療やワイヤー矯正による再治療を行うケースがあります。
インビザライン治療の成功率については、以下のコラムをご参考にしてください。
インビザラインの成功率