インビザライン・ファースト

1期治療は永久歯が生え揃うまでに行ない、良い噛み合わせになるよう発育を誘導します。この後生えてくる永久歯がより正確な位置から生えるようになりますが、まだ移動の調整が必要な場合は2期治療を実施することになります。こうした治療計画により、将来的に矯正治療が必要になっても、抜歯や手術を回避できる可能性が高くなります。

大人の矯正歯科では、透明なインビザライン（マウスピース矯正）を使った治療が広がっており、当院では早い段階から取り扱い始めました。
インビザラインはもともと大人用の矯正治療でしたが、最近は子供向けのインビザラインとして「インビザライン・ファースト」も注目されており、当院でも導入しています。

インビザライン・ファーストは、乳歯から永久歯に生え替わる時期（混合歯列期）の矯正用に作られた、子供のためのマウスピース型の装置です。
インビザライン・ファーストの大きな特徴は、子供の装着時間を管理できる点です。装着時間に応じて色が変化するので、子供がどれくらいの時間つけていたか、保護者の方がチェックしやすくなります。食事や歯磨きのときは外せるのでストレスにならず、ワイヤー矯正のように食事後にきれいにする必要がありません。また、大人のインビザラインと同様に透明で目立ちにくい装置なので、口元が目立つのを嫌がる多感な子供にも受け入れられやすくなっています。

外見が変わらないので装着を嫌がらない

小学校低学年にもなると、子供は他者と自分を比べるようになり、容姿についてからかわれることもあります。そのため、矯正装置をつけたがらず、保護者の方が困ってしまうというお悩みがよくあります。インビザライン・ファーストは透明で目立たないので、お友だちに装置の存在を気づかれにくくなります。

ダラダラ食べの予防や歯磨きなどの習慣が身につく

子供はダラダラと間食してしまいがちですが、インビザラインは食事以外の時間に装着するのでダラダラ間食するのを予防できます。また、インビザラインを装着する前に歯磨きをしなければならないため、歯を磨く習慣も身につきます。

抜歯や外科的な手術を回避できる可能性が上がる

子供のインビザラインを使った矯正治療は、成長に合わせて1期治療と2期治療に分かれています。1期治療では生えかけの永久歯が成長するスペースを確保しており、きれいに生えるように誘導できます。こうした歯列を整えるための工夫によって、抜歯や外科的な手術を回避できる可能性が上がります。

2期治療の期間が短くなる

1期治療でインビザラインをすることにより、過剰歯を予防したり、生えかけの永久歯を矯正できたりします。こうした事前の土台作りによって2期治療の期間が短くなるほか、2期治療を前に矯正がほぼできあがっているケースもあります。
もし2期治療が必要と判断された場合は、永久歯に生え替わってから大人用のインビザラインに切り替えて治療します。

装着しているか管理が必要

インビザライン・ファーストは、1日20時間以上は装着しなければなりません。食事や歯磨きのとき以外は装着していただくことになります。
家にいる間は保護者の方が装着しているか管理できますが、学校や遊びに行っているときまでは目が行き届きません。矯正歯科の必要性を話し、自分でも管理できるようになるのがよいでしょう。

インビザライン・ファーストで治療を始めるには条件がある

インビザライン・ファーストを使って矯正歯科を受けるには、切歯が2/3以上生えていて、第一大臼歯があるなど、いくつかの条件がそろっていなければなりません。条件に合致しやすい時期としては小学校2～3年生くらいとなりますので、この学年を目安にご相談ください。

子供向けのマウスピース矯正で治療を受けることにより、抜歯を回避できる可能性があるほか、治療期間を短縮できる、大人になってから矯正を始めるよりきれいに仕上がりやすいなど、さまざまなメリットがあります。
小さいうちから矯正治療を受けることにより、オーラルケアに親しむ機会にもなります。歯を大切に守るという考え方を学んでほしいと思い、インビザライン・ファーストによる矯正治療を決めた保護者の方もいらっしゃいます。 将来の健康維持にもつながる習慣づけとしても、ぜひインビザライン・ファーストをご検討ください。